Trilobe | The Revolution of Independent Watchmakers in France
X-Centric(エックス-セントリック)からX-Nihilo(エックス-ニヒロ)へ。自らの心臓を持つまで。
腕時計には、時間を示すだけでは語りきれない魅力があります。
TRILOBE(トリローブ)は、機械式時計をひとつの芸術表現として捉え、時の流れに詩的な美しさを与えるフランス発の独立時計ブランドです。
時針、分針、秒針を動かすのではなく、時間そのものを示すリングが回転する。
固定されたインデックスに対して、時・分・秒のディスクがそれぞれ動く。
この発想は、単なるデザインの奇抜さではありません。
機械式時計の構造そのものに問いを投げかける、フランス発の独立時計ブランドらしい革命です。
トリローブの歩みを見ると、大きく2つの時代に分けられます。
ひとつは、スイス・ラ・ショー・ド・フォンの高い時計製造技術を背景にした X-Centric(エックス・セントリック)キャリバーの時代。
もうひとつは、ブランド初のマニュファクチュールムーブメントである X-Nihilo(エックス・ニヒロ)キャリバーの時代です。
そして現在、その思想はブレスレット一体型の新型モデル、 Trente-Deux(トランテ・ドゥ)へと受け継がれています。
X-Centric|エックス・セントリックから始まった、トリローブの挑戦
トリローブ初期の重要なポイントは、独創的な時間表示を実現するために、通常の針ではなく3つのリングを動かしたことです。
時を示すリング。
分を示すリング。
秒を示す小さなリング。
視野性。
それぞれが文字盤上を回転し、固定されたインデックスに対して現在時刻を示します。
この仕組みによって、トリローブは「針が時を指す」という従来の時計観から離れ、 時間そのものが動いていくような表現を生み出しました。
しかし、これは見た目以上に難しい構造です。
一般的な時計の針は非常に軽い部品ですが、トリローブでは3つのリングを動かす必要があります。
つまり、通常の針式時計よりも動かす部品が大きく、重く、ムーブメントには強いトルクと高い安定性が求められます。
そこで重要になるのが、効率的な巻き上げとエネルギー伝達の設計です。
重いリングを安定して動かすためには、香箱から輪列へ伝わる力、巻き上げ効率、表示機構の摩擦管理まで、すべてを高い精度で成立させる必要があります。
X-Centric(エックス・セントリック)は、この独自表示を現実の機械式時計として成立させた、トリローブの原点とも言えるムーブメントです。
X-Centricの利点
X-Centricの最大の利点は、トリローブのデザイン哲学を機械的に成立させたことです。
「針をなくす」というアイデアだけなら、デザインスケッチで終わります。
しかしトリローブは、3つのリングを実際に動かし、日常使いできる自動巻き時計として完成させました。
また、スイス・ラ・ショー・ド・フォンの高水準な時計製造技術を背景にしている点も大きな魅力です。
フランス的な美意識と、スイスの精密な機械技術。
その2つが重なったことで、トリローブは単なるデザインウォッチではなく、本格的な独立系機械式時計として評価される存在になりました。
X-Centricの弱点
幾つものリングの動きを支える。これは欠点であると同時に、トリローブらしさでもあります。時間をただ確認するのではなく、時間と向き合う。
そこに、トリローブの詩的な魅力があります。
また、3つの重いリングを動かす構造は、機械にとって負荷の大きい仕組みです。
表示がシンプルに見えるほど、内部では高度なエネルギー管理と精密な部品設計が求められます。つまりX-Centricは、トリローブの独創性を実現した素晴らしいムーブメントである一方で、一般的な針式時計とは違う難しさを抱えたキャリバーでもあります。
X-Nihilo|エックス・ニヒロへ。トリローブ初のマニュファクチュールムーブメント
そしてトリローブは、次の段階へ進みます。
それがX-Nihilo(エックス・ニヒロ)キャリバーです。
X-Nihiloは、トリローブ初のManufacture Movement(マニュファクチュール・ムーブメント)。
設計、開発、試作、加工、装飾、組み立てまでを自社で行う、ブランドにとって大きな節目となるキャリバーです。
ここで重要なのは、単に「自社ムーブメントになった」ということではありません。
トリローブが、フランスの独立時計ブランドとして、自分たちの時間表現を自分たちの内部構造で語り始めたということです。
X-Nihiloは、約42時間のパワーリザーブを備える自動巻きムーブメントです。
さらに、完成した時計は400時間に及ぶ品質管理テストを受けます。
この400時間テストは、トリローブにとって非常に重要な意味を持ちます。
なぜなら、トリローブの時計は3つのリングを動かすという特殊な構造を持っているからです。
一般的な針よりも負荷の大きい表示機構だからこそ、安定性、巻き上げ効率、精度管理、耐久性には高い水準が求められます。
つまりX-Nihiloは、ただ美しく見せるための自社ムーブメントではありません。
詩的な時間表示を、日常で安心して使える機械式時計として成立させるために作り込まれたキャリバーです。
5N Gold|5Nゴールド、つまりローズゴールドの美しさ
X-Nihiloでもうひとつ見逃せないのが、ムーブメントの仕上げです。
X-Nihiloには、温かみのある5N Gold(ファイブエヌ・ゴールド/ローズゴールド)仕上げが施されています。
5Nゴールドは、赤みを帯びたローズゴールド系の色調を持つ仕上げで、機械式ムーブメントに柔らかく上品な表情を与えます。
この5Nゴールド仕上げは、派手な装飾というより、トリローブらしい温度感を与えるための仕上げです。
針を持たないクールで建築的な時間表示に対して、ケースバック側にはローズゴールドの柔らかな奥行きがある。
この対比が、Trente-Deuxを単なるモダンウォッチではなく、フランス独立時計らしい詩的な一本にしています。
X-Nihiloの利点
X-Nihiloの魅力は、ムーブメントそのものがトリローブの世界観になっていることです。
一般的な自社ムーブメントは、性能やブランド価値を語るために存在することが多いですが、X-Nihiloは少し違います。
文字盤側のオフセンター表示。リングによる時間表現。
ケースバック側から見える建築的なムーブメント。
400時間品質管理テストによる実用性の確認。
そして5Nゴールド、つまりローズゴールド仕上げによる美しさ。
そのすべてが、トリローブというブランドの思想につながっています。
外装、表示、ムーブメント、品質管理、そして仕上げ。
すべてがひとつの方向を向いている。
ここに、X-Centric時代からX-Nihilo時代への大きな飛躍があります。
トリローブは、詩的な時計でありながら、400時間の品質管理によって実用時計としての信頼性も確認している。
このバランスこそ、X-Nihiloの大きな価値です。
X-Nihiloの弱点
ここで見落としてはいけないのが、トリローブ独自の表示構造です。
X-Nihiloは、一般的な軽い針を動かすムーブメントではありません。時・分・秒を示すために、通常の針よりも大きく重いリングを回転させています。その分パワーリザーブの時間が短くなります。
ただし、42時間というパワーリザーブは、単純なスペック競争の数字だけで判断するべきものではありません。
重いディスクを安定して動かしながら、独自の時間表示と実用性を両立させるための設計バランスとして見るべきです。
さらに、完成した時計には400時間に及ぶ品質管理テストが行われます。
これは、トリローブの詩的な表示機構が、日常使用に耐える機械式時計として検証されていることを示しています。
したがってX-Nihiloの評価は、単に「42時間だから短い」と見るのではなく、 重いリングを動かす特殊な構造を持ちながら、安定性、美しさ、実用性を両立させているキャリバー として捉えるべきです。
Trente-Deux|トランテ・ドゥ。ブレスレット一体型という新しいトリローブ
X-Nihiloを搭載する新しい代表作が、Trente-Deux(トランテ・ドゥ)です。
Trente-Deuxは、トリローブの従来のオフセンター表示を受け継ぎながら、ケース、文字盤、ブレスレットを再構築したコレクションです。
特に注目したいのは、Integrated Bracelet(インテグレーテッド・ブレスレット/一体型ブレスレット)のデザインです。
一体型ブレスレットの時計は、現在の高級時計市場において非常に人気の高いスタイルです。
しかしTrente-Deuxは、単に流行に乗ったラグジュアリースポーツウォッチではありません。
普通のブレスレット一体型時計に見えて、時刻表示はまったく普通ではない。
ケースとブレスレットは現代的でありながら、文字盤上ではトリローブ独自のリングが静かに回転する。
この組み合わせが、Trente-Deuxの大きな魅力です。
Trente-Deux (トランテ・ドゥ)の利点
Trente-Deuxの利点は、トリローブがより日常的なラグジュアリーウォッチとして進化したことです。
これまでのトリローブは、詩的で、知的で、少しアートピースのような印象が強いブランドでした。
しかしTrente-Deuxは、ブレスレット一体型ケースによって、より実用的で、より現代的な腕時計になっています。
それでいて、時刻表示は従来通りトリローブです。
普通のラグジュアリースポーツに見えて、普通の針は存在しない。
この矛盾が、とても面白いのです。
また、自社ムーブメントX-Nihiloを搭載していることで、デザインだけではなく、機械としてもブランドの現在地を示すモデルになっています。
Trente-Deux (トランテ・ドゥ)の弱点
一方で、ブレスレット一体型には弱点もあります。
革ベルトやラバーベルトを自由に交換して楽しむ時計に比べると、スタイルの幅は少し狭くなります。しかし、ロレックスのデイトナ、IWCのエンジニア、オーデマピゲのロイヤールオークのように既に完成された腕時計には余分な足し算は必要ありません。既に完成した造形として仕上がっている腕時計に余分な構造は必要はない。これは時計市場が既に実証してくれています。
また、ブレスレットのフィット感は人によって好みが分かれるため、実際に腕に乗せて確認することが大切です。ぜひこの素晴らしいブレスレッドのフィット感を店頭で味わってください。完成された造形を優先した結果とも言えます。
Trente-Deuxは、ケースとブレスレットを別々に考える時計ではなく、全体でひとつの彫刻として見る時計です。
ブレスレット一体型の実用性と、トリローブ独自の時間表示。
この2つを同時に楽しめる点に、新型Trente-Deux(トランテ・ドゥ)の価値があります。
コントワーヌの視点
コントワーヌがトリローブを面白いと感じる理由は、単に珍しい時計だからではありません。
トリローブは、デザインだけで勝負しているブランドではありません。
X-Centricでは、スイスの高い製造技術を背景に独創的な時間表示を実現しました。
X-Nihiloでは、その思想をさらに進め、自社マニュファクチュールムーブメントとして完成度を高めました。
そしてTrente-Deux(トランテ=ドゥ)では、ブレスレット一体型という現代的なフォーマットの中に、トリローブ独自の時間哲学を落とし込んでいます。
利便性だけを求めるなら、もっと読みやすい時計はあります。
スペックだけを比べるなら、もっと長いパワーリザーブの時計もあります。
腕時計を、単なる所有物ではなく、自分の感性や生き方を静かに映すものとして選ぶなら、トリローブは非常に魅力的な選択肢になります。ひと目で分かる派手さではなく、見つめるほどに深まる美しさ。
ただ珍しいだけではなく、機械式時計として語ることのできる確かな構造。
時間を急いで読むのではなく、時間と向き合う。
そんな感覚を楽しめる方にこそ、トリローブをぜひ実機でご覧いただきたいと思います。
X-Centricは、トリローブの発想を機械として成立させました。
X-Nihiloは、その発想を自社の心臓として結晶化しました。
400時間の品質管理テストは、その詩的な時計が実用時計としても信頼できることを示しています。
5Nゴールド、つまりローズゴールド仕上げは、ムーブメントに温かみと奥行きを与え、ケースバック側からもトリローブの美意識を語ります。
そしてTrente-Deuxは、その思想を現代的なブレスレット一体型ウォッチへと進化させました。
針がない。
けれど、時間はそこにある。
むしろ針がないからこそ、時間を意識する。
トリローブは、フランス独立時計の中でも、特に詩的で、建築的で、知的なブランドです。
コントワーヌでは、こうした独立系時計の魅力を、実機を通して丁寧にご案内しております。
時計宝飾正規代理店コントワーヌ
時計宝飾正規代理店コントワーヌでは、TRILOBE(トリローブ)をはじめ、CZAPEK(チャペック)、MINASE(ミナセ)、ORIENT STAR(オリエントスター)、RAYMOND WEIL(レイモンド ウェイル)、IKEPOD(アイクポッド)、AWAKE(アウェイク)など、個性ある機械式時計・独立系ブランドを取り扱っております。
代々木・初台・新宿エリアで、人と違う本格時計をお探しの方はぜひご相談ください。
時計宝飾正規代理店 コントワーヌ
〒151-0053
東京都渋谷区代々木4-28-7 西参道テラスE1
TEL:03-3299-8008
営業時間:11:00〜19:30
定休日:水曜日